内蔵モデムでWindows98/98SE/MeとWinRouteLiteを使って
無理やりLANに参加させる


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 なんか海外のPSO接続情報のページで紹介されているWinRouteLiteってソフトルーターが話題になってるようなんで、話題になってない方法を実験してみました。
 しかしながら条件があるのかなかなか成功しません。USBのTAだからかその他の条件があるのかと諦めていましたが自宅回線がADSL化直前になり、PCでのTA+DC内蔵モデムの同時ダイヤルアップの実験ができなくなるので急いで実験したところ成功したので情報を残しておきます。



 ドリームキャストを題材に記述していますが、他のゲーム機やPDAなどでも設定ができれば同じ接続ができると思います。

 WinRouteLiteをTAでのダイヤルアップとDCからのダイヤルアップサーバーとの中継に使っています。

 ちなみにWinRouteLiteは$79のダウンロード販売ソフトで30日間の試用期間があります。使用を続けるつもりの人はちゃんと支払いしましょう。

注意

 ここで説明しているのはWindows98/98SE/Meの例であり、Windows2000/XPではWinRouteLiteとDCの設定以外は参考になりません。

必要なもの

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フレッツADSL/BフレッツなどPPPoE接続で実行する場合の補足

 フレッツ接続ツールではWinRouteLiteをインストールするとパソコン側の通信さえ出来なくなることがあるので、RASPPPOEを使用して接続してください。

この接続をする前の準備

 ドリームキャストでユーザー登録及びISAOネットへの登録をしてない場合は登録しておく。ISAOネットへの登録はドリームキャストを使う上での身分証明のようなものなので、ドリームキャストで課金のあるネットゲームを遊ぶ場合には事前に登録しておく必要があります。
 ISAOネットを接続に使用しないのであれば料金コースは従量制を選んでおきましょう。そうしておくと余計な料金は一切かからなくなります。
 この登録はドリームパスポート3やプレミヤで一般電話回線で登録する必要があります(このページのことをやるならBBAはないだろうし……)

 DCの接続に使用するモデムは設定ファイルなどをインストールし、一度パソコンでの通信に使用してちゃんと動作するか確認しておきましょう。


 TAも付属ユーティリティなどで内線通話可能状態に設定します。内線通話可能に設定する場合、着信用外付けモデムが通常の通話に反応して着信すると大変なので、TAのアナログポートの着信用外付けモデムを接続するアナログポートを内線通話可能、外線からの着信禁止(たとえばサブアドレスを設定し、サブアドレスなしの着信をしない。こうすると携帯電話、PHS、ISDN機器などから設定したサブアドレスを指定して発信しないと着信しません)に設定します。

機材の接続

 ドリームキャストのモデムに接続している電話線をTAのアナログポートの1つにつなぎ、着信用アナログモデムのLINE入力に接続している電話線をTAのアナログポートのもう1つに接続します。TAのアナログポートは1もしくはAが電話機向けの停電対策機能などがあることが多いので2もしくはB以降に接続するのを勧めます。
 ここではDCをアナログポート2(B)に接続し、PCのモデムをアナログポート3(C)に接続しておきます。

パソコン側の準備

 以降の画面画像はWindows98SEのものです。WindowsMeでは画面や指定する場所が違う可能性があります。

 まずダイヤルアップサーバーをインストールします。


 コントロールパネルのアプリケーションの追加と削除で、Windowsファイル→通信を選び詳細ボタンを押します。


 ダイヤルアップサーバーと、仮想プライベートネットワークのチェックをONにしてOKを押します。
 仮想プライベートネットワークはWin98/SEが標準インストールされていれば入っていることが多いのですが、カスタムインストール時にはインストールしてないことが多いようです。さらにWinMeではインストールされていないとのこと。

 続けてWinRouteLiteをインストールして指示どうりに再起動します。WinRouteLiteインストール済みの人はここで再起動しておきましょう

ダイヤルアップサーバーの設定

 ダイヤルアップサーバーを起動して設定します。

 マイコンピュータからや、コントロールパネルからダイヤルアップネットワークを開き、

 接続→ダイヤルアップサーバーを選びダイヤルアップサーバーを起動します。


 DCの接続に使用するモデムのタブを開き、「着信する」を選びます。
 サーバーの種類というボタンを押します。

※TA関連の設定があると、タブが結構な数になるので注意して着信に使用するモデムのタブを選びましょう。


 サーバーの種類で「PPP:インターネット……」と言う選択肢を選び、「暗号化パスワードを使う」のチェックを外します。サーバーの種類を選んでなかったり、暗号化のチェックを外すのを忘れるとDCでは接続できないので注意。

 「PPP:インターネット……」はなぜか選びにくいのでスクロールさせて選択してください。


 元の画面でパスワードの変更の「パスワードによる保護」のボタンを押し、DCでの接続に使うパスワードを入れておきましょう。これは自分で好きなものを決めて入力していいです。

 パスワードを設定してOKを押した後、下の画面のOKか適用ボタンを押せばダイヤルアップサーバーの設定完了です。

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WinRouteLiteの設定

WinRouteLiteを設定します。と言ってもパソコン側のダイアルアップを選ぶだけですが。

 画面右下のタスクトレイに風車のようなアイコンが増えているのがWinRouteLiteのアイコンなのでそれをダブルクリックして画面を開きます。


 これがDC未接続の画面です。「WinRoute Engine is running」となっているのを確認しておきましょう。なっていなければStart Engineのボタンを押して動作開始させます。


 Settingタブを開き、"Dial-up Adapter (Modem,ISDN)"を選択し、下の選択から目的とする接続先を選びましょう。すでにTAなどでネットに繋いでいれば選択するものがすでにあるはずです。まだ設定してない場合はEditボタンで新規に作成ができ、すでにあるものも編集できます。
 自動的に回線を接続して欲しい場合は、Usernameに接続IDをPasswordには接続パスワードを入力しておきましょう。

※WinRouteLiteは基本的にルーター環境で使うものではありませんが、どうしてもルーター環境で使う場合やCATV/ヤフーBB環境などで使う場合は「2nd network adapter」を選択し使用しているLANカードを選びましょう。ルーター環境の場合ルーターとWinRouteLiteで2重ルーター状態になるので速度が落ちたり、ポートフォワードを設定する必要があるときに両方で設定しなくてはいけません。CATV/ヤフーBBでは2重にはなりません。


 Dialing Optionsです。上から  です。自分の必要な設定にしましょう。



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DC側の設定

 ドリームキャストを設定します。ドリームパスポートやゲーム内蔵のドリパス互換ブラウザを起動して設定します。

 Lトリガでオプションを選び、ユーザープロバイダの設定画面を出します。


 TAのマニュアルで調べてパソコンのモデムを接続しているアナログポートへの内線通話番号を入力します。うちのTAはNECのAtermIT65ProDSUでアナログポート3(C)への通話は#*3でした。
 NTTのINSMATE V30TOWERというTAでは!**にポート番号を足したものになるとか。!はそのTAでの内線通話に必要なフッキング操作です。

 ソフトキーボードでは記号が入らないようなので、常時接続環境を作ってまでネット対応ゲームを遊ぶのならキーボードも購入しましょう(笑)


 IDとパスワードを設定します。この方法ではIDは区別されないので適当なものでいいですが、接続ログなどに残るので判りやすい名前などにしておきましょう。
 パスワードはダイヤルアップサーバーに設定したものを入力します。


 DNS情報を設定します。この方法では自動設定ではパソコンから必要な情報が渡されないので、パソコン側の接続に使っているプロバイダの設定説明書などを見てパソコンと同じものを手動で設定します。
 ISAOネットなどDNS設定情報を公開していない場合には後述の方法で調査できます。

 あとはメールなどの設定ですが、DCでメールを読んだりする必要がなければ設定する必要はありません。

 これで全ての設定は完了です。

DNS自動設定プロバイダでのDNS情報の調べ方

 DNSを自動設定で接続するプロバイダでのDNS情報を調べる場合以下のようにします。

 パソコンで回線を接続し、スタートメニューのファイル名を指定して実行からwinipcfgと入力してwinipcfgを起動し、詳細ボタンを押します。

 PPP Adapter.やダイヤルアップアダプタという表示を選択し、DNSサーバーの部分の表示をメモしてそれをドリームキャストに設定します。DNSサーバーの表示の横にあるボタンを押すとセカンダリDNSの表示に切り替わります。

 ※この方法で確認する場合、LANカードを使用していると192.168.0.1などルーターのIPアドレスが表示されることがあります。その場合はLANカードの設定でDNSを使用しないにするか、この確認をするときだけデバイスマネージャーなどで使用しない状態に設定してください(この場合もDNSを使用しないに設定してからLANカードを使用不可にする)
※表示させたDNS情報が192.168.*.*になっている場合ルーターからDNSを拾ってしまっています。LANカードを使用不可にするなどした上で再度確認しましょう。

接続

 設定が完了したので接続します。

 パソコンで回線を接続した後、DC側もパソコンのモデムと回線を接続します。回線が繋がっただけで安心せずに、ドリームパスポートやゲーム内蔵ドリパス互換ブラウザで適当なところを表示できればOKです。
 セガ関連のページや、ゲームソフト内蔵ブラウザに登録されているゲーム公式ページではなく、うちのこのページを表示してみて表示できれば設定は成功です。


 接続成功時のWinRouteLiteの画面です。

 上手く接続できない場合には、モデムが着信しない場合は電話機で内線通話の操作をし、モデムの内線番号にかけるなど試してみましょう。


繋がらないとき

DCが電話をかけない
 ISDN回線に繋いでいないTAを使用するとDCが電話をかけてくれないことがあります。オプションの電話回線でATコマンドに「ATX1」と入力しておくといいですが、ソフトによってはこの設定を無視するソフトがあるので注意。

 内線番号に「-」を入れるのもいいかもしれません。入ったけかな……

着信しないとき
 パソコンの着信用モデムに接続できない場合は、電話機でモデムを接続しているアナログポートに内線通話をしてみましょう。
 ピーって音がしなければ設定に失敗してるかアナログポートの設定や、アナログポートへの内線方式を間違っている可能性が高いです。
 他にはダイアルアップサーバーの設定に失敗していることもあります。「着信する」を選んでいるか確認しましょう。

 別の確認方法としては、DC側は普通に接続してパソコンのモデムの繋いでいるアナログポートに電話機を繋げてDC側で発信して電話機の呼び出しのベルが鳴るかで確認するのも良いかもしれません。

着信するが切断される
 ダイアルアップサーバーに設定しているパスワード、DCに設定しているパスワードを確認しましょう。

 他にはモデムのプロパティで追加コマンドを設定して、着信用モデムの通信速度を33600bps以下に設定するといいかもしれません。モデムによってコマンドが違うのでモデムの説明書で確認しましょう。AT+MSコマンドな場合が多し。

 モデムのプロパティでログを保存する設定にしておいてそのログを見てみるのもほんの少しだけ参考になるかも。見ても意味不明かもしれませんが……

着信するが切断される。その2
 パソコンでTAで接続しているときにDCで接続しようとするとDCが切断される、パソコンで回線を接続していない状態でDCを回線接続しておいて、パソコンでTAで接続しようとすると接続に失敗するなどという症状が出る場合は仮想プライベートネットワークのインストールを忘れていると思われます。仮想プライベートネットワークをインストールしましょう

着信するが切断される。その3
 ダイヤルアップアダプタ周辺の状態がおかしくなっているとこうなることがあります(仮想プライベートネットワークのみを追加インストールした場合になりやすい)。Windows98の場合はコントロールパネルのアプリケーションの追加と削除→Windowsファイル→通信で「ダイヤルアップアダプタ」「仮想プライベートネットワーク」を削除して、再度インストールしてみましょう。

回線は接続されたがデータ送受信されない
 DC側のDNS設定、Proxyサーバーの設定を確認しましょう。
 他にはインターネットセキュリティソフトを使っていると通信できません。ダイヤルアップサーバーで割り当てられるIPアドレスに通信を許可するか、一時的に使用停止、アンインストールするなどしましょう。


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静的IPマスカレードの設定

 一部ゲームでは静的IPマスカレードの設定が必要になることがあります。その場合は以下の方法で設定してみてください。
 PSOver2ではタイトル画面のオプションからUDP SETTINGというのを選びUDPOFFにすると静的IPマスカレードの設定は必要ありません。PSOでは静的IPマスカレードを設定してもパソコンとのモデム接続では不安定な移動とかの動作をすることがあるので、UDPOFFをお勧めします。



 WinRouteLiteのSetting画面Advanced Settingを開きます。


 PortMappingタブの画面を開き、Addボタンを押します。



 このページや他の関連ページでの情報などを参照して静的IPマスカレードを設定しましょう。WinRouteLiteはTCP/IPもUDPも同時に転送するので区別はありません。
 転送先IPアドレスはダイヤルアップサーバーでドリームキャストに自動で割り当てられる192.168.55.2になります。



補足情報

ルーター環境でWinRouteLiteを使わないで済ませるには
 ルーターを使用している環境では以下の設定を行えばWinRouteLiteを使用しなくても済むことがあります。

 レジストリエディタでHKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\VxD\MSTCPに文字列「EnableRouting」を作り、値を“1”にします。  ルーターのスタティックルーティングにディストネーションアドレス192.168.55.1、サブネットマスク255.255.255.0、デフォルトゲートウェイ192.168.55.1、ポップカウント1(上記すべてLynkSysBEFSR41の場合)を設定します。
 ここまで設定して、このページのWinRouteLite以外の設定を行うこと。
 ルーターの機種によっては192.168.55.0へのルーティング追加や、NATの追加が必要になる可能性もあります。
 これらの設定を行った場合、ポートフォワード(静的IPマスカレード)の設定が出来ないのでチャブトークやPSOのUDPONは使用できません。

 ※この内容についてはルーターの知識が必要で機種により設定も変わるのでサポートBBSで質問されてもお答えしません。ルーターの設定そのほかをよく理解してから自分でやって自分で解決しましょう。

 この設定内容はいちていさんの報告を受け動作確認したものです。

アナログポート音量
 TAやISDNルーターの機種によっては着信用モデム/DC内蔵モデムを接続しているアナログポートの音量を設定する必要があることがあります。設定ユーティリティなどで設定しましょう。

ISDN環境以外でのTAの内線通話機能の使用
 ISDNに接続していない状態ではアナログポートの内線機能を利用ことができないターミナルアダプタ(TA)があるようです。その場合は擬似内線交換機を用意するか、モデム同士の直結アダプタ(ファックスプリンタアダプタという製品があるようです。簡易的なものを自分で工作することも可能とか)などを用意するか、ISDN回線に接続していなくても内線機能が利用できるTAを用意しましょう。


モデム同士の直結
 使用できるTAや擬似回線交換機、FAXアダプタ、直結可能アナログモデムなどの情報に記載していますが、一部モデムはTAや擬似内線交換機、FAXアダプタなどを使用せずにゲーム機のモデムと直結して手動で着信動作をすることで通信できるものがあります。
 このページの例であるWindows98/98SE/Meでのみ可能で、WindowsXP/2000と内蔵/外付けモデムでの方法や、IPルーターと外付けモデムではできません。
 内線通話にTAや擬似内線交換機などを使用せずにFAXアダプタや自作モデム直結アダプタを使用する場合やモデム同士を直結する場合は、直接着信できるように以下の様にレジストリエディタで設定する必要があります。

 設定するのは HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\Class\Modem\????\Monitor で、???の部分は HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\Class\Modem\???? をみてDCとの接続に使うモデムの設定ファイルの名前があるところに設定します。うちのことではTAが3つモデムとして登録されるのでTAで0000から0002まで3個使って、モデムは0003でした。モデムやTAを登録する順番でも変わるのでよく見て設定しましょう。

 ダイアルアップサーバーを着信しない状態にし、

 追加する場所です。1のNoneというデータは削除します。


 こういう風に、新規→文字列で1というのを作りダブルクリックして内容にATS0=0<cr>(<cr>を忘れずに)を入力し、さらに新規→文字列で2というのを作りダブルクリックして内容にATA<cr>(<cr>を忘れずに。画像では大文字ですができるだけ小文字)を入力しましょう。

 この設定をして、ダイヤルアップサーバーの画面を出しOKもしくは適用のボタンを押さずに待って、ゲーム機で発信操作をした直後にOKや適用のボタンを押しましょう。  こうすることにより、FAXアダプタ、モデム直結アダプタやモデム同士の直結で着信できるようになるはずです。

 普通にTAの内線機能で接続している場合は必要のない設定なので、英語の解説ページやその他のページをみておまじない的に設定しているひとは元に戻しましょう。

 ※Windows2000では別のレジストリ位置に別の設定であるのでこの位置に設定しないように気をつけましょう。HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Class\{xxxx}\????\Monitor のようです。xxxxは16進数の長めのキー、????は上と同じく変わります。しかしこの設定を行った場合はシステムの負荷が高くなるようなので役に立たないと思われます。

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